アルテスパティオのメンバーさんの「書」

2020.04.10(10:08) カテゴリ:Essay

故郷・山梨県に帰省した際、年に3、4回ほど市川三郷町にある障がい者施設アルテスパティオで絵画教室の講師をつとめています。

メンバーさんは、知的や精神に障がいをお持ちの方ですが、皆さん気持ちの良い方ばかりで、毎回皆さんに会えるのを楽しみにしています。

半年ほど前の絵画教室で、メンバーのTさんが、別のカリキュラムで書いた「書」を私に見せてくださいました。

勢いよく書かれた、この「憲法」の文字。「書」のことは全く分かりませんが、とても「いいなぁ」と感じてしまい、Tさんに「部屋に飾りたいので、私にいただけませんか?」とお願いしたところ、快く譲ってくださいました。

どういう経緯でこの文字を書いたのかは分かりませんが、きっとTさんの中に何かの想いがあったのではないか、と想像します。

知的や精神、身体に障がいをお持ちの方は、いつもこの世界の端っこに追いやられています。彼らにまともに向き合い、彼らの想いや言葉に耳を傾けることは殆ど無いように感じます。はじめから「わかっていないから」とか「どうせ出来ないから」という思い込みを前提にしてしまっている現実もあると思います。

私自身も精神病院に長年お世話になっていることや、障がい者施設で絵画教室の講師をつとめさせていただいている経験から、この世界の端っこに追いやられてしまう「障がい者」と言われる方々と一緒にいる機会が、比較的ある方だと思っています。

彼らと共にいてわかることは「彼らは理解しているし、感じている」ということです。心ない言葉に傷つき、悲しい想いもたくさんしてきた彼ら。その不満やつらい想いを言葉として表現出来ず、いつも諦めさせられてきた人生だったのではないかと想像します。

確かに助けが必要な場合の多い彼らですが、「人としては対等」であるし、アルテスパティオのメンバーさんには「私とあなたは人として対等ですよ」と伝えています。

風貌とは真逆の可愛らしく素敵な絵を描くTさん。

今は新型コロナウイルスで山梨へは行けませんが、落ち着いたらまた一緒に絵を描きましょうね。