読書っていいな!(『芸術起業論』)

2020.09.07(17:07) カテゴリ:Essay

半年ほど前に、近所の図書館で美術の技法書を読んでいた際に、世界的な評価が高い芸術家・村上隆さんのアトリエ風景が掲載されている雑誌を見ました。

その雑誌を見て村上隆さんに興味が湧いたすぐ後、立ち寄ったまちなかぶんか小屋の古本販売コーナーで村上隆さんのご著書『芸術起業論』を発見しました。

世界で活躍する芸術家なので以前より存じ上げていましたが、図書館で見たアトリエ風景から「村上隆さんってどんな人で、どんな考えをお持ちの方なんだろう?」と、興味が湧いていたところにタイミングよくこの本に出会ったので、すぐに購入しました。

読んでみての感想は「世界を舞台に活躍するって、本当に大変なことなんだなぁ」です。

世界で活躍するには才能はもとより、高度な知力や強靭な精神力を要求されますし、ビジネスとしてのアートは顧客とタフな交渉もしなければなりません。

世界を舞台に活躍する村上さんも相当辛酸を舐めていますし、艱難辛苦を乗り越えて世界に認められる芸術家になられた努力は相当なものと恐れ入ります。

「評価をされるなら西洋美術の文脈を理解しなければならない」

「作品のみならず作品を取り巻く物語も重要」

など、ハッとする言葉も多く、美術の世界をまるで知らない私にとって、とても勉強になりました。

とりわけ「怒りが制作エネルギーの源泉」に大いに安堵しました。

この本を読んでみて、改めて「自分にとって絵を描くこととはどういうことか」とか、「自分は絵を描く人生をどのように歩みたいのか」などを考える良い機会になりました。

自分の知らない美術の世界のことを教えていただいた、学ぶことの多い一冊です。