「意志」と「背中を押す風」

2021.03.18(9:00) カテゴリ:Essay

大切なことはすぐに忘れるくせに、どうでもいいことの記憶が良い私は、赤ちゃんの頃の断片的な記憶や、幼い頃の思い出など意外に鮮明に覚えているもので、今現在から過去に向かって時系列に記憶を遡ると、アッと言う間と思っている人生にも、膨大な歴史があることに気づきます。アッと言う前なようでいて、アッ言う間でもないんですね。

人生を振り返ってみると、人生って、自分自身の「意志」と同時に「背中を押す風」も働いて、その双方によって人生の方向が定められ、歩みを進めるものと感じています。

自分自身の「意志」は何より大事なのですが、自分自身の「意志」だけで道が拓かれる場合は少ないようにも感じていて、歩を進めるためには「背中を押す風」の作用も必要と思っています。

「背中を押す風」は、自分自身の力で引き起こすことができないものと思っていますが、自分自身の「意志」と「背中を押す風」の双方を感じ取りながら生きることは、きっと「対話をしながら生きること」だと、私は理解しています。