寂しさが好き

2021.08.31(17:00) カテゴリ:Essay

「寂しさ」が好きです。

賑やかなところやたくさんの人たちがいるところが苦手で、学校生活や人と密に関わる仕事がなかなか大変であった私。

学生時代は教室よりも図書室や保健室にいることが多かったし、成長と共に独りでいることを好むようになりました。

「寂しさ」の中に感じる「懐かしさ」がとても好きで、例えば「夕暮れのグラウンドを砂埃を巻き上げながら吹き抜ける一迅の風」とか「夕陽のオレンジ色に染まる誰もいなくなった図書室」とか「刻々と藍色が滲みて広がる夜空に、煌々とした一番星を皮切りに、またひとつと点火されるが如く輝き始める星々」などを独りぼっちで眺めていると、底知れぬ「寂しさ」と「懐かしさ」に包まれます。

うまくは言えないけれども、大宇宙の中に「ただ独り居る孤独感」を感じつつも、なぜか「温かな懐かしさ」というような不思議な感覚を覚えるのです。

人とのコミュニケーションも確かに楽しいのですが、孤独の中にしか感じられないものも確実にあります。

突如現れる、今この瞬間に感じる感覚は、「孤独」の中にやって来て、「寂しさ」の掌の中で私は安らぎを覚えるのです。