三井ヤスシ個展「MITSUI+WORLD2019」4日目

2019.11.06(20:24) カテゴリ:Exhibition

穏やかな一日。展覧会は4日目。

今日は長野から友人Nさんと、小1の時の担任のF先生が来てくれました。

Nさんとは20年来の友人で、20年ほど前にイラストレーション誌の誌上コンペに同じ年に入選したことで出会いました。東京で活動したのちに東京を離れ、地元に根を下ろして創作活動を続けていることのほか、創作活動における姿勢など共通する点の多いNさんと私。紆余曲折しながらも、お互い描き続けていられることを、とても嬉しく感じています。

決して器用でない、素朴な人柄のNさん。でも、最近の彼の作品は、静かな迫力をたたえる素晴らしい作品へと変貌しています。悩み、何度も立ち止まりながらも、前に向かって制作を続けるNさん。別れ際に「これからも描き続けようね」と言って別れた私たち。Nさんのような友人がいることは、大変有難いと思っています。

小1の担任のF先生と再会したのは、今から10年ほど前に甲府市の朗月堂書店で、クリスマスに絵本の読み聞かせをした時に遡ります。絵本の朗読中に、じっと私を見つめている女性がいました。朗読が終わると、その女性は近づいて来て、持っていた風呂敷包みを広げ、中に入っていた絵を見せてくれました。その絵は、私が小1の時に図画コンクールで入選した、「猿かに合戦」の絵でした。

「この絵を返そうと思って」

その女性が、小1の時の担任のF先生だったのです。「猿かに合戦」の絵のほか、授業で描いた「ザリガニ」も見せてくれたのですが、本来返すべき児童の絵だったけれど、次年度以降の図工の授業で参考作品として使いたかったから返さずに手元においておいた、と話されました。でも、良心の呵責から、これらの絵を私に返却したかったそうです。

25年ぶりに再会する自分の絵。よく覚えています。「懐かしい」と思いが溢れるのと、今日まで大切にとっておいてくれたF先生にも感謝の気持ちでいっぱいになりました。

そこからF先生とのご縁が再び繋がり、山梨での展覧会には毎回足を運んでくださいます。

展覧会をするたびに「私は人に恵まれている」とつくづく感じます。たくさんの方々のお陰で、今、絵を描き続けて生きています。今まで出会ってくださった方々への、感謝の気持ちをより強く感じられるのが展覧会です。

展覧会はまだ始まったばかり。素敵な再会を期待しています。