SAVE THE CHILDREN
ただいま旭川市の児童書専門店こども冨貴堂で開催中の「12年目の3.11」展に出品しています。
3.11から12年が経ちます。
日本も世界も混迷の度合いを深めていて、落胆したり不安になったりする毎日を過ごしています。
どうやったらみんなが笑顔で暮らせる世の中にできるのだろうか・・。
この複雑に絡み合った世界を果たして解きほぐすことができるのだろうか・・。
いろいろと考えても答えは出ません。
ただ、目の前にいる人達と、心を通わせる、温かな瞬間を、少しでも積み重ねることしか私にはできないと思っています。
私の郷里・山梨県の山梨県立美術館にはミレーが描いた『凍えたキューピッド』という作品があります。
幼い頃から何度も観て来たこの作品。
凍えて青黒い肌の痛々しく可哀想なキューピッドを、女性と男性が抱きしめ、迎え入れている様子を描いた作品は、親になった私にいろいろと問いかける作品となりました。
3・11で露呈したのは、私たちにとって「何が一番大切なものなのか」という根本的なことを、多くの人達が見失っている現実でした。
3・11の季節になるたびに「私自身も究極の選択を迫られた時に子どもを守れるだろうか」とか「普段、私の子どもにしっかりと向き合えているだろうか」など、重く厳しい問いを突きつけられる想いになります。
そんな想いを込めて、この作品を描きました。
なお、この展覧会は旭川市や鷹栖町、札幌市にも巡回します。