読書っていいな!(『石ころのうた』三浦綾子)

2018.01.15(9:05) カテゴリ:Essay

「せっかく旭川に住んでいるのだから、生涯執筆活動を旭川でなさった三浦綾子さんの本を読もう!」と手にした一冊が、この「石ころのうた」です。

石ころのような平凡な一少女であった三浦綾子さんの、女学生時代から小学校教師時代までを描いた長編自伝小説で、軍国主義の最中の教育を信じて疑わなかった綾子さんが、敗戦による世の中の価値観の転換に激しい衝撃を受け、深い自己不信に陥っていく過程が描かれています。

戦争に突き進む時代の中、普通に暮らしていた人々の様子がうかがえる一冊でもあります。

(角川文庫 ¥667+税)