読書っていいな!(ブックカバーチャレンジ6日目『ある絵の伝記』)

2020.05.12(6:24) カテゴリ:Essay

『多様性のレッスン』『自分がきらいなあなたへ』の著者で、ピアカウンセリングでもお世話になった安積遊歩さんからのバトンを受けたブックカバーチャレンジも今日で6日目。

6日目は『ある絵の伝記』です。

2日目に紹介した画家ベン・シャーンがハーバード大学の教授に任命されて一年間にわたる講義録に手を加えてまとめられたのがこの本です。

東京で生活していた時、偶然立ち寄った高円寺の高架下の古本屋でこの本に出会い、その存在は知っていたもののかなり昔の本なので「まさかこの本に出会えるとは!」と興奮のあまりに震えてしまったことを記憶しています。

邦題は「ある絵の伝記」ですが、原文では「THE SHAPE OF CONTENT」(内容の外形)です。私はこの原文タイトルにも非常に惹かれました。

絵画における外形はその内容によって定められること。逆を言えば内容が無い外形はありえないという風に私はこのタイトル理解しました。「どうのように描くか」ということよりもむしろ「何を描くか」が重要で、それはつまり「自分自身とは何者であるか」という自分自身の存在の根幹をより深く見つめることこそが絵を描く第一歩であることを教えてくれます。

移民の貧しい家庭に育ったベン・シャーン。彼の生育環境によって育まれた芸術観には深く共感します。

この本は、ヒューマニズム溢れるベン・シャーンの社会を見つめる眼差しと、絵を描くことの厳しさ、そして彼の芸術観・哲学を学べる素晴らしい一冊です。

(ルール説明)
読書文化の普及に貢献するためのチャレンジです。
好きな本を1日1冊、7日間投稿する。
本の説明は無しで、表紙だけの画像をアップする。
毎回1人、友達を招待し参加を要請します。ただし、スルーもOKで次の方を指名するかどうかも気分次第でOKということです。