デッサン(「聖ジョルジョ」その1)
2021.12.26(22:08) カテゴリ:Essayその1
基礎的なトレーニングの必要性を感じて、旭川市内の絵画教室で月2回デッサンをしています。
前回で「アマゾン」を終えて、今日から取り組んだのは「聖ジョルジョ」です。
浪人時代に一度チャレンジしたことがある「聖ジョルジョ」ですが、その時は全く手も足も出なかった私。あれから25年以上が経ち、人生2度目となるチャレンジでしたが、意外に手が動き、思った以上に描き進めることができました。画像のデッサンは4.5時間の作業です。
改めてデッサンに取り組んでみてわかったことは、もしも私が高校・浪人時代に健康で経済的にも恵まれていて、全力で受験勉強に取り組める環境であったとして、毎日デッサンをしていたとしても、あんまり上手になれなかったのではないか、ということです。
浪人時代におかしくなって入院してしまい、受験からドロップアウト。体調の回復と共にアルバイトをしながら誰にも見せることのない絵をコツコツ描き始め、セツ・モードセミナーで学び、イラストレーターとして仕事を重ねてきたことが、結果として基礎となる力を積み上げてくれたように実感しています。
つまり、デッサンだけを繰り返し描いていたとしても、私の場合は上達しなかったと思うのです。
とても遠回りをしたけれど、高校・浪人時代には感じられなかった「描けている実感」を感じてデッサンできているのは、この遠回りが決して無駄な時間ではなく、私にとって必要な時間だったということを確信させてくれるのです。
自己満足で良いので、「描けている実感」を感じることができてくると、過去の大きな挫折から生まれた「ポッカリと空いた空洞」が埋まっていくように感じられるのです。
ようやくスタートラインという感じなので、デッサンをコツコツ続けるのと併せて、来年からはアートとしての絵画制作にも力を注いでいきたいと思っています。