ジンギスカンのかほり

2020.05.04(10:00) カテゴリ:Essay

初夏を通り越して真夏の陽気の旭川。

新型コロナウイルスの影響で休校中の娘が、なにやら作りたいものがあるので市内の手芸屋さんに連れて行って欲しい、とお願いされました。

家を出発し公園の角を曲がると、交差点の歩道から溢れんばかりの多くの人の姿が見えました。近づいてみると、焼肉用のお肉を販売しているお店の前に20人くらいの人が行列を作っていたのでした。

その光景をみた私と娘は、声を揃えて「ジンギスカンかぁ!」

北海道に移住して、本州との文化の違いに驚くことが多かったのですが、そのひとつに「天気の良い日に自宅の庭でジンギスカンをする」があります。

北海道は羊肉の焼肉・ジンギスカンが盛んです。市内にも美味しいジンギスカン専門店がありますし、スーパーでも羊肉が普通に売られています。羊肉は独特の匂いがして好みが分かれるところですが、私は美味しく食べられます。

ジンギスカンが盛んな北海道の短い夏の間、表に出るとどこからともなく美味しそうなかほりが風に乗ってやってきます。庭先でジンギスカンをやっているかほりです。

車で向かった手芸店は新型コロナウイルスの影響で休店していて、しょんぼりしょぼくれた娘。慰めながら帰途についたのですが、家に帰る途中「あ、あそこでもジンギスカンやっている!」「ほらこっちも!」と住宅街を抜ける道を走っている途中、ジンギスカンを楽しむご家庭を見つけては、次第に元気を取り戻していきました。

結果、6件のジンギスカンを楽しむご家庭を発見。今日はジンギスカン日和ですもんね。

気候変動の影響か、暑い日が長く続くようになった北海道ですが、それでも本州に比べたら短い夏。夏を過ぎればあっという間の秋を通り過ぎ、長い冬に突入します。短い夏を存分に楽しみ、また愛おしむような光景でもあるジンギスカンの眺めは、なんだかとても気に入っています。

新型コロナウイルスの影響で休店しているお店も多く、外食するのもなんだか不安なのでテイクアウトメニューで心ばかりの応援をしている我が家ですが「自宅でジンギスカンも良いなぁ」と思いました。

コロナ禍の真っ只中で、不安と緊張の毎日を過ごしていますが、安全を確保した上で、家族みんなの心がリラックスするような「小さな安らぎ」も必要と思っています。

ジンギスカンを楽しむ光景をみて「小さな安らぎ」の必要性を感じた1日でした。