多様性の意味
2020.07.20(9:00) カテゴリ:Essayアメリカの黒人差別の事件や、世界に広がるヘイトスピーチ、ヘイトクライムに心を痛めています。
「・・目が手に向かって「おまえは要らない」とは言えず、あるいはまた、頭が足に向かって「おまえたちは要らない」とも言えません。それどころか、体のうちでほかよりも弱いと見える部分が、むしろずっと必要なのです。・・」(新約聖書「コリント人への第一の手紙」)
白人が黒人に「おまえは要らない」とは言えないし、日本人が在日の人たちに「おまえは要らない」とは言えないし、健常者が障がい者に「おまえは要らない」とは言えないし、異性愛者が同性愛者に「おまえは要らない」とは言えず、みんなが必要な存在でこの世界を構成しているのだと私は思います。
多様性を認めることは、その人の価値観を揺さぶられることで不安や恐怖を感じることですし、合意形成のプロセスも面倒で時間も必要になります。私個人だって、かなり不寛容ですし、多様性をすんなり認められるほどの人間ではありません。
でも、この世界に存在する生命は、この世界から必要とされるからこそ存在する生命である事実を見つめなければならないと思うのです。また、多様な人々の存在こそが、この世界を存在させているとも言えます。
多様性を認めない世界を認めてしまうと、結果的に自分自身がこの世界に存在できなくなるという想像力も持たなければならないと思います。
多様性についての考えは、ミツイパブリッシング刊行の『多様性のレッスン』の著者である安積遊歩(あさか・ゆうほ)さんの影響を大いに受けています。ご興味もたれた方は、是非読んでみてください。
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