11月のアルテスパティオ絵画教室

2019.11.05(18:51) カテゴリ:Art School

本日は約半年振りに、山梨県市川三郷町にあるアルテスパティオでの絵画教室でした。

アルテスパティオはハンディキャップのおもちの方が集まる施設ですが、皆さん元気で優しく、楽しい方々ばかりなので、伺うのを毎回楽しみにしています。

今回、久し振りに皆さんの絵を拝見しましたが、大きな変化をみせる人もいて、驚きながら皆さんの絵を楽しませていただきました。

積極性と自信をもって描くIさん、作風がガラリと変わり力強さが出てきたKさん、人間の内面を描き出すような作品のWさん。

それぞれが大きな進歩を見せていて、本当に嬉しかったです。

この絵画教室を始めた頃と比べると、自分で描き、考えて色を選択し、自分なりの表現で色を塗ることができていて、その自発性と主体的に描くことができている姿に、ちょっと感動してしまった私。

今回の絵画教室で「『素直に描くこと』と『丁寧に描くこと』が大切ですよ」とアドバイスさせていただきましたが、これは私自身が絵を描くときに注意していることです。

私は生来の焦燥感があって、なんだかいつも焦ってしまって、絵を丁寧に描けないことが多々あります。心を落ち着けて丁寧に描ければ、それだけでも絵に自分自身がより投影されますし、優しさと言うか愛情みたいなものも絵に乗り移ると思っています。

また、普通に成長するとなかなか人前で素直な自分をさらけ出すことができなくなります。心に壁を作らなければ、この競争社会だと生き抜いていけないし、夫婦間だって素直な自分を見せることを躊躇ってしまうこともあります。だからこそ「素直に自分を表現すること(描くこと)」が難しいと思うのです。

アルテスパティオの皆さんは、ハンディキャップをおもちですが、皆さん心が綺麗で素直な方ばかりです。絵を描く時に、作為的なことも考えないし、ただ一心に目の前にある画用紙に絵を描ける素直さをおもちです。

「心が動く」のは、決して技術的なことではないと私は思っています。超絶技巧で人々を唸らせる作家さんも確かにおられますが、必ずしも技術的なことばかりで語れないのも美術の醍醐味です。技術がないからこそ伝わることもあります。

アルテスパティオに皆さんとお会いすると、絵を描く基本に立ち返らせていただけます。絵画教室の講師として招いていただいていますが、絵を描く観点から見たら「仲間」と思っているし、同じ目線で接したいと思っています。

次回は12月。また皆さんに会えるのを楽しみにしていますね!