見えない働き

2023.06.06(0:14) カテゴリ:Essay

いろいろと忙しくてくたびれている私は、今の私を取り巻く環境に不満が溜まってプンスカ腹を立てながらアルバイトをすることがあります。でも私の不平不満を誰かに向けることが出来ないので、夕刊配達の道すがら、ついついブツクサ独り言を呟いてしまうのですが、そういう自分自身が嫌なので、不平不満が出て来そうになったらすかさず「祈り」を唱えるようにしています。

ある日、不平不満の独り言が出て来そうになった時に、たまたま夕刊を購読されているお宅の前で購読者様のご婦人とバッタリ出会ったのですが、そのご婦人から初対面の私への日頃の感謝と労いの言葉をかけていただき、とても嬉しくなりました。と同時に、さっきまで口から出て来そうになっていた不平不満はどこかへ消えてなくなり、心の中は晴れ晴れとした明るさに満ちていることに気付いたのです。有難い言葉をかけてくださったご婦人への感謝の気持ちが込み上げてくるのと同時に、「見えない働き」があのご婦人に作用したようにも感じた私。

私たちは自分の意思で言葉を発し、行動していると思いがちですが、「見えない働き」の作用からの言葉や行動であるようにも感じることがあります。あのご婦人とバッタリ出会ったタイミングや、初対面の私に向けての言葉は、ご婦人の意思であると同時に、ご婦人の口を通じて私に伝えようとした「見えない働き」が作用したように思えてならないのです。

とはいえ、「見えない働き」が作用したかどうかは私の想像の範疇でしかありませんし、実のところはよくわかりませんが、この地球上の人々は「見えない何か」に繋がっているようにも思いますし、そういった視点でこの世界を見ると、全てがドラマチックになるのです。

荒れ狂う心の乱れを鎮静化してくださったご婦人に感謝すると同時に、「見えない働き」についてを考える出来事でもありました。