甲府空襲と『甲府の動物園物語』

2023.07.06(23:47) カテゴリ:Essay

本日は7月6日。

78年前のちょうどこの時間に、甲府にはたくさんの爆弾が落とされ始めます。甲府空襲です。

山梨の友人・知人のSNSなどでは、甲府の戦禍の歴史を見つめ、平和を願う投稿が見られます。

甲府空襲の惨状は、残された写真を見れば痛いほどよくわかります。頭上から爆弾が落とされる恐怖を想像すると身が縮みますが、これが戦争の実態であり、今、この瞬間でも世界各地で暴力の応酬が繰り広げられ、その恐怖に怯えている人がたくさんいます。

また、戦争は被害者の側面と加害者の側面を併せ持ち、一方だけでは語れないと思っています。被害者にもなり、加害者にもなってしまう戦争は、被害者としての苦しみと、加害者としての苦しみを背負い続けることになると思うのです。

今、世界各地での暴力の応酬の様子に心を痛めている人の多くは、「戦争の虚しさ」を感じられているのではないでしょうか。

この地球の全ての生命は、漆黒の大宇宙に輝く灯火です。その灯火をお互いが消し合うことの何と言う虚しさ。

『甲府の動物園物語』は、地方都市の小さな物語です。山梨県民・甲府市民がよく知る甲府の動物園をテーマにしているからこそ、78年前の「事実としての戦争」を身近なこととして感じることができると思っています。

いつも「戦争と平和」を考え続けることはシンドイと思いますが、甲府空襲があった日に「事実としての戦争」に向き合い、心の片隅に留めておくことは大切なことと思っています。

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【休園中】甲府市遊亀公園附属動物園 公式ツイッター様が、以下の投稿をしてくださいました。

78年前の7/6深夜、甲府空襲により動物園の周辺は焼け野原になりました。

当時の園長で獣医師の小林承吉さん一家が動物園を復興させてくれました。

その物語を山梨県出身の作家三井ヤスシさんが絵本にしてくださいました。多くの方に知っていただきたい物語です

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