読書っていいな!(『ちいさいおうち』バージニア・リー・バートン)

2018.05.13(5:23) カテゴリ:Essay

娘と一緒に布団に入ったら、毎日絵本を読んであげています。

同居している義父はとても物を大切にする方で、妻が小さかった頃に遊んだ玩具や絵本を大切に保管してくださっていました。

そして今、私の娘つまり義父にとっての孫娘が、40年以上も前に遊んだ妻の玩具や絵本で遊び親しんでいます。

この『ちいさいおうち』も、そのうちの一冊です。

1942年度のカルデコット賞を受賞した絵本で、自然豊かな田舎に建てられたちいさいおうちが、近代化に伴う都市開発の波にのまれて・・・、といった内容のこの絵本。

非常に示唆的で、当時にしてその兆候はあったと思いますが、未来である現代を予見したかのような内容で、大人の私も考えさせられます。

私の生まれ育った家庭は、「本に親しむ」といった環境ではありませんでしたが、妻の実家に同居することで、義父が大事に保管してくださっていた膨大な量の昔の「よい絵本」に親しむことが出来ています。

イラストレーターの端くれとして『みーつけた!』(ミツイパブリッシング刊)や『ねぇ おそらのあれなあに?』『はたはたはたふれ』(いずれもユニバーサルデザイン絵本センター刊)などの絵本も制作しておりますが、古くから読み継がれている「よい絵本」を娘に読んであげることで、私自身も非常に勉強になっています。旭川市の児童書店こども冨貴堂のFさんからは「古くから読み継がれている絵本は、絵本の教科書よ」とアドバイスをいただいたこともあります。

親と子どもとの優しい時間を作り出す絵本の時間。あとどのくらい娘と一緒に楽しめるのだろうか?と考えるとちょっと寂しくも感じてしまいますが、娘が「読んで!」と求める限り、絵本の時間を存分に楽しもうと思っています。