我が家にはコクワがなります。

コクワとはサルナシの実で、甘くて小さな緑色をしたキウイフルーツによく似た味の果実です。

先日、畑で一緒に野菜を作らせていただいているてっちゃんが我が家に来て、コクワを収穫しました。子ども時代に食べたというコクワは、てっちゃんにとって思い出の味だそうです。

今から10年ほど前、結婚して一年間だけ住んでいた甲府のマンションに、今は同居している義父からコクワが届いたことがありました。

山梨にも自生しているかも知れないけれど、コクワを食べたことが無かった私にとっては初対面。一口食べてみると、とろけるような甘さでとても美味しかったことを記憶しています。

初雪が降り、季節は一気に冬に突入した旭川。二週間ほど前まではまだ固かったコクワも、辺りに豊潤な香りを放つほどに熟しました。

口先を当てて吸うと、豊かな甘さが口いっぱいに広がり、はじめてコクワを食べたあの日の記憶がよみがえります。

私にとってもコクワは思い出の味となっています。