紙ストロー

2020.11.21(18:00) カテゴリ:Essay

娘と本屋さんに行った帰りに、六花亭に立ち寄って甘味を食べました。

普段、甘いものを節制している娘なのですが、本音を言えばやっぱり食べたいはず。たまには娘の食べたいものを食べてもいいよね、と思ったのです。

娘は富良野の農場で収穫したブルーベリーをふんだんに使ったブルーベリーパフェを、私はみかんジュースを頼みました。

ほどなくして、ブルーベリーパフェとみかんジュースを運んでいただき、「美味しい、美味しい」と満面の笑みを浮かべてパフェを頬張る娘の様子がとても嬉しく、「さて、私もみかんジュースをいただこうかな」と、ストローを包装から取り出すと、

「あれっ、紙ストローだよ」

と、教えてくれた娘。

まじまじとみると、確かにプラスチックのストローではなく、紙ストローでした。

初めてみる紙ストローが珍しく、じっと見つめる私。グラスに差して口先に含んでみると、なんとも柔らかい感触でやんわりした温かみを感じました。

普通に飲んでも美味しいみかんジュースですが、紙ストローで飲むと二割増な感じで、なんだか嬉しい気分にもなりました。

プラスチック製品の海洋汚染が報じられて、困った!という気持ちと共に、大量のプラスチック製品を製造し、使用している日本に住む私は、世界のみなさんと海洋生物たちに、なんだか申し訳ない気持ちになります。

日本で普通に生活していると、ありとあらゆる製品がプラスチックで包装されていて、消費者としての選択肢がほとんどないと感じてしまい、もどかしさを感じているのも事実です。

昭和の時代に戻って、お肉は量り売りで紙で包装、お豆腐やお惣菜などは容器を持参して購入するのもいいな、と思いますし、今の科学技術を駆使して自然に帰るプラスチック製品が開発されて、安価で幅広く普及するといいな、とも思います。

今の便利な生活に慣れてしまった反省もありますが、できることなら生活をする上でのストレスがあまりかからない形での、環境に優しい生活様式に日本社会が変化できたら嬉しいな、と思います。

甘味を食べに行った六花亭で出会った紙ストロー。

楽しいひとときに、いろいろなことを考えるキッカケを作ってもらいました。