凸と凹が織りなす世界

2020.11.23(2:00) カテゴリ:Essay

不惑の歳を迎えて久しい私。

孔子先生の仰る通り、いろいろと問題を抱えつつもあれこれ惑わず、だんだんと生きるのが楽になってきたように感じます。(老化現象でもあるかもしれませんが・・)

絵を描く人生を10代半ばで志し、基本的にシンプルな人生を歩んできたと思っていますが、不惑の歳を迎えるまでは、あれこれやりたくなったり、また張り合ったりする自分がいました。

ですが、この歳になると自分の「できること」と「できないこと」が分かってきます。

私のできることを引き受けて、できないことはできる人にお任せすれば良い、と言うことがようやく理解できるようになってきたのです。

そもそもオールマイティな人なんてほとんどいないだろうし、私のできることで他者のできないことを補い、他者ができることで私のできないことを補っていただければ良いはずです。

私のできることとできないことと、他者のできることとできないことが、ちょうどパズルのピースの凹凸のようにうまくかみ合うことで、この世界が成立していると思います。

「自己責任」がまかり通っていて、なんでも自分で引き受けなければならないような風潮がありますが、もっと他者に頼っても良いはずですし、頼られることは面倒なことでは決してないと思っています。

「他者への信頼感」を基にお互いが補い合うことで、凸と凹が織りなすこの世界は、もっともっと豊かで美しくなるのではないか、と感じています。