地上の旅人

2021.06.20(10:50) カテゴリ:Essay

私たちは、どこからかやって来て、どこかへと去っていく「地上の旅人」であると思っています。

「私はどこからやって来たのだろう?」とか「この地上を去ったのち、どこへ行くのだろう?」と、考え込んでしまうことがありますが、その答えは想像の域を超えません。

大変お世話になった人たちや、学生時代の同級生の何人かはすでにこの世を去り、「生と死」に対する問いの想いを強くしますが、はっきりとした答えを出すことが私にはできません。

この世に生まれた全ての生命は、いずれこの地上を去らねばならないのですが、そういった視点でこの世界を見つめると、出会った人たちや目の前に広がる景色のひとつひとつが、かけがえの無いもののように愛しく感じてきます。

一輪の花、一枚の葉っぱ、石ころ、風、星・・。

普段当たり前のように見ている当たり前のことは、決して当たり前ではなく、落ち着いて向き合えば、とても大切で愛しい存在であることを感じてしまいます。

とてつもなく大きな時間の流れの中を生きている私。

自分の存在の小ささと、いずれはこの地上を去らねばならないことを考えると、少し寂しい気持ちにもなりますが、同時に目の前に在ることを丁寧に、大切にしようと思う力も、また生まれてくるのです。