てっちゃんの畑で農作業(にんじん)

2021.06.26(16:00) カテゴリ:Essay

農家のてっちゃんの畑で野菜を作らせていただいています。

少し前の話になりますが、にんじんの種を植えました。

てっちゃんの畑は粘土質でゴロ土が多いので、ふわふわの土にするためにクワなどで掘り起こしながらゴロ土を砕いていく必要があります。

軍手をしながらクワを入れていくのですが、力が結構必要なことと、繰り返し作業行っていくとクワの柄が当たる親指の付け根の皮がめくれてヒリヒリしてきます。

今でこそ農業の機械化が進んで、だいぶ作業が効率よく出来るようになったかもしれませんが、古来から続く農業に従事してきた農家さんたちは、汗をかき身を粉にして働いてきたことを、皮がめくれた痛みから感じました。ちょっとした作業でも、やってみないと感じられないことってありますよね。

土がふわふわになったら穴のあいたマルチ(黒いビニール)を張り、そのマルチの穴ににんじんの種を植えていきます。

フエルトペンのお尻を土に垂直に押し当てて穴ボコを作り、そこに小さな小さなにんじんの種を植えていきます。

それにしてもにんじんの種の小ささに毎年驚きます。こんな小さな種がやがて立派なにんじんになるのですから自然ってすごいですよね。

全ての穴ボコににんじんの種を植えたら、土をかぶせて優しく押し当てて、水を撒いて終了です。もう何年もやっているので、だいぶ作業が手早く済むようになりました、

夏至に近い陽の長い6月上旬の作業でしたが、とっぷりと陽が沈み、時間は20時近くにもなってしまいました。

汗にまみれて心地よい疲労感の中、農作業をすると「本質的な人間の営み」が見えてきて、いろいろな情報や価値観に翻弄される現代人にとっての羅針盤が「土に触れて生きること」と、感じられるようになりました。

土に触れることによって見えてくるものがあることを、てっちゃんから学ばせていただいています。