おばあちゃん

2021.06.29(21:00) カテゴリ:Essay

同居する義母は、純粋な少女がおばあちゃんになったような人です。

マイペースでちょっと天然なところもありますが、親切でフレンドリーな義母は、前のめりになりがちな私を正しい位置を戻してくれる存在です。

貧乏暇なしな私はせわしなく仕事をこなさねばならず、時としてイライラしがちなのですが、そんなときに義母と接すると、そのマイペースさにこちらが和やかな気持ちにさせていただきます。

ミツイパブリッシングから刊行した安積遊歩さんも本の中で語っていますが、お年寄りや障がい者の存在は、猛烈なスピードで回る世の中を、適正なスピードにペースダウンさせてくれる存在であることを義母と接するたびに実感します。

焦ってもゆっくりでも、実際のところ人生はあまり変わらず、むしろ焦ることで関係性を壊し、失敗をやらかすことが多いことは、多分、ある程度生きてきた人なら理解しているのではないか、と思います。

ほぼ毎夕食、おかずを一品差し入れくださる細やかな心配りのおばあちゃんは、私のペースメーカーです。