映画っていいな!(『MINAMATA』)

2021.10.04(22:00) カテゴリ:Essay

妻に誘われて現在上映中の『MINAMATA』を観に行きました。

久しぶりの映画にワクワク。

小さな頃は映画が大の苦手だった私。2時間もじっとしてられなかったからです。

でも、大きくなってからはだんだんと映画が好きになりました。

私が20代前半に通っていたセツ・モードセミナーの長沢節先生は、『装苑』誌上でセツ・シネマセミナーという映画評の連載をされていて、その映画評を頼りに学校帰りに東京でしか観ることが出来ないミニシアターでの良質な映画を観ていたことがあります。なんとも懐かしい思い出です。

妻は大の映画好きで、大学生時代は映画を観まくっていたそうです。だから妻が「観よう!」と誘う映画はハズレがないので、一緒に行くようにしています。

この映画は言わずと知れた、熊本県水俣市で起きた公害の水俣病をテーマにした内容で、世界的な写真家ユージーン・スミスを主人公に物語は展開していきます。

私がこの映画を観て感じたこと。それは「人間と言う生き物の性質」と、「生きる営みに伴う矛盾」です。

単なる「善」と「悪」とでは語れない問題を示していると感じました。また、私が感じたこの2つの問題は、今の私が考え続けているテーマでもあります。

超えられない領域、を、果たして我々人類は超えること、が出来るのだろうか。

水俣の波の音と現像液のうごめく音。

聖母子像のピエタのような入浴する水俣の母と子。

非常に作り込まれた素晴らしい映画でした。

是非多くの方に劇場で見て欲しいです。