宇宙の中に生きている

2021.11.10(23:00) カテゴリ:Essay

最近、「ああ、私は宇宙の中に生きているんだ」と、強く実感するようになった私。

夜空を眺めるのは幼い頃から好きだったし、山梨県立科学館のプラネタリウムでアルバイトをしていた時期もあって、美しくも深淵な宇宙に興味があった私ですが、ここ旭川に来てから謎の発光体を目撃するようになって、地球の外に、より具体的な想像力が働くようになりました。

地上に立脚して生きる私たちは争いや諍いが絶えません。今なお戦争や内戦が世界各地で繰り広げられていますし、至る所で差別や偏見に苦しむ人たちがいます。私においてだって生活を営む上での悩みは尽きず、小さなことで深く落ち込んでしまうこともしばしばです。

でも夜空を眺めると、そのあまりに広大無限な宇宙空間を前に、暫しの間、私の些細な日常の悩みごとを忘れさせてくれます。そう、私はあまりにちっぽけなのです。

どこか異国の天体観測の絶景スポットに行かずとも、高度な性能を持った天体望遠鏡を使わずとも、私が生きているこの場所は、すでに宇宙空間の入り口として存在している訳ですし、私の目の前に広がる美しさと迫力を伴った宇宙空間が存在することは、地球的な時間や空間では測れないことが、事実として存在することを常に示してくれています。

こんなにも美しくて、不思議で、怖くもあるけど懐かしくもある宇宙が、毎晩その姿を現してくれることの素晴らしさ。この地球上において、我々にとって必要なモノは備えてくださっている、と感じずにはいられません。

私たちがやって来て、また還って行く場所。

宇宙と向き合うと、日々の生活のことで鬱々と悩むことも馬鹿らしいし、人間同士が殺し合うことも本当に馬鹿らしい、と思ってしまいます。

この宇宙空間の片隅に生きている者同士、お互いに愛し合えるようになったらいいのにね。